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ホーキンスさんの隣にいると、優しい夢を見れそうな気がするのだ。 はうすらにそんな生温かい事を考えて、彼の隣で瞳を閉じた。 彼はその仕草に何も言葉を向けたりする事もなく、静かに持っていた本のページを捲る動作だけを繰り返す。 すこしくらいなら自分に触れてもいいのにな、などと考えているの事は、気付いているかもわからない。 そして船長室の子窓に、出来るだけ穏やかにある事を勤めたような冷たい風が吹いたときに、痺れを切らしたは呟いた。 それでもできるだけ、声は大人しい形に。 「せんちょー、遊びましょ?」 「……生憎今日は動き回ると運気が落ちる日なんだ、」 「じゃあ、動き回らないでも、いいからー」 暇なんですーと、言葉を零しながらに彼の腕に絡みつく。両腕を寄せて、彼のおだやかな腕の匂いに鼻をよせる。 静かに広がる暖かな空気と、さらさらと頬に触れる白い服のゆるやかな流れに…思わず瞳を閉じてしまいそうだった。 「ねーせん、ちょー…」 とぎれとぎれに言葉を繋げる。それでもホーキンスさんは変わらないのだろうなと、半分諦めに腕に吸いついた。 ゆっくりと、服の上から彼の腕にキスをする。とてもいい匂いがして…そしてしあわせの時間にいるようだ。 ホーキンスさんの傍にいるだけで、海賊船であるこの船が、静かな太陽のかけら、おだやかな夢の一部に身を潜めているようだった。 そしてここが船長室である事がさらに、の腕を引っ張り静かな眠りへと誘いだしていた…。 「…ここで寝てはだめだ」 そう言って、ホーキンスさんはついに本を閉じた。でももうきっと遅いかもしれないのに、はそう思いながらに、段々と自分の意思とは関係なく、ぱちりぱちりと落ちる瞳の間から、彼の優しい瞳を見た。 「せんちょー…も、あそばないでいい……」 「部屋まで送る、立てるか?」 「や…ここがいいです…」 ホーキンスがを起こそうと絡んでいた腕を解こうとした動作を、は拒むように力を込めた。そして彼女は静かに瞳を閉じる。もうここで起こされる事は、には一種の拷問のような仕打ちだとでも考えているだろう。 ホーキンスの柔らかな掌は、静かにの頬に添えられた、そのときの彼のなだらかな息の感覚が、少しだけの眠気を遮るように触れられて、は口だけを開いた、 「―――いっしょに、ねよう?」 微かに笑う息が聞こえた、そうして、自分の体を掬うように動く彼の腕に、静かに溺れた。 ホーキンスはゆっくりとを抱き挙げて、すぐ近くの自分のベットにおろした。そしてその隣に、音も立てずに座り込む、沈んだベットと、スプリングが軋む音だけがして、それすらもとても小さく聞こえた。 「あたし…今日は運がいい日なのかな…?」 「どうしてだ…」 「だって…寝る前に目の前にホーキンスさんがいるなんて…しあわせ、へへ……」 彼はそのあとの頭に手をあてて、が静かな寝息だけをするようになるまで、静かに瞳を閉じていた。 とても静かな昼下がりに、とても静かな、その部屋は穏やかだった。
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